ずっと圭汰のことを考えたまま、夏休みも残り一か月となった。
夏真っ最中のため夜になっても暑いが、今日は浴衣を着て、灯と夏祭りにやって来た。
今は、一通り屋台を見回り、観覧区域でシートを広げて花火が打ちあがるのを待っている。
「やっぱいいなー、冬穂の浴衣姿」
「さっきから、そればっかじゃん」
「だってマジで可愛いんだもん」
灯がニヤつきながら私を見つめる。
恥ずかしくて、「見すぎ」と、灯の目を手で隠した。
「いいじゃん、見たい」
「もう・・・」
灯は今日一日、ずっと楽しそうだ。
その幸せそうな笑顔を見ていると、こちらまで幸せになってくる。
圭汰と付き合っている時は、いつも知り合いに会わないか怯えていたから、こんな風にデートすることも出来なかったし、デート中も終始落ち着かなかったな。
ああ、また、考えてしまった。
どうして私はいつも、圭汰のことばかりなのだろう。


