みんな、愛し方を忘れてる。



「えー!なんでー」
「ふふっ。さっ、私も投げよっと」

私は椅子から立ち上がり、レーンへ近づく。

「頑張れー」

背後からの声援に、私は振り返って微笑む。
そしてボールを手に取った。


圭汰のことは、考えない。

私には愛してくれる灯がいる。
それだけで十分だと思え、私。


心が戻りたいって叫んでも、灯への愛を嘘だと言い切っても、私は知らないフリをしてボールを投げる。

圭汰への未練が消えることを祈って投げてみたけれど、ボールは曲がっていって、結局ガターだった。


もちろん、圭汰を忘れることなど出来ない。