みんな、愛し方を忘れてる。



蒼人くんには本当、お世話になりっぱなしだ。

今度、美味しいケーキでも買って、渡さないとな。


「・・・もう、時間やばいんじゃないの?さっさと行きなよ」
「えっ?・・・あっ、本当だ」

腕時計を確認すると、現時刻は、午後五時二十分だった。

私が再び蒼人くんの顔を見ると、蒼人くんは、

「・・・じゃあ、俺はもう帰るから。・・あとさ、宮咲さんと灯は、絶対一緒にいないと駄目だと思う。二人は、そういう関係だよ」
「うん・・・。蒼人くん、本当にありがとう」

もう一度そうお礼を言うと、蒼人くんは照れたようにそっぽを向いて、

「・・・別に。じゃあね」

と、私の横を通り過ぎる。

私はすぐさま振り返り、蒼人くんの背中に、

「また明日!」

と、声をかけた。
蒼人くんは私に背を向けたまま、手をひらひらと振る。

それを見てまた微笑むと、私は蒼人くんとは反対方向に走り出した。