みんな、愛し方を忘れてる。



「もし、灯にキスしたのがそういう意味なら、灯を想う気持ちがあるんなら、その紙に書いてある場所に行ってほしい。気まずさとか後ろめたさとか、灯と付き合う権利がないとか、そんなものは捨てて。好きって感情だけでいいから。あとは、何も考えなくていいから」
「蒼人くん・・・・」

蒼人くんはどこか切なそうに、だけど、優しく笑った。


「その紙、もし河合が盗ったら駄目だと思って、先に取っておいたんだ。靴箱に入れた当の本人は単細胞だから、あんまり考えてなかったみたいだけど」

私は、先程蒼人くんから受け取った紙を広げる。

そこには、

『今日の放課後、五時半に二年二組に来てほしい。話したいことがある。 灯』

と、見覚えのある細い文字が書かれていた。
二年二組は、去年私達のクラスだった教室だ。

「河合のことは、俺がどうにかするよ。これ以上、宮咲さんと灯の邪魔をされたら困るし。灯も、ちゃんと言い聞かせてなかったのかよ・・・」

呆れたようにため息を吐いた蒼人くんに、私は微笑んだ。

「ありがとう、蒼人くん」