みんな、愛し方を忘れてる。



時々、休み時間に、蒼人くんと話すためなのか、灯が教室に来ることがあったが、灯に気づかれる前に反対側のドアから教室を出た。
もし声を掛けられでもしたら大変だからだ。

そうやって、極力灯の視界に入らないようにする生活が、しばらく続いた。

たまに、帰り道、サッカー部の練習風景が目に入ったが、そんな時は、灯を見つける前に早足で校門を出た。



そうして季節は過ぎ、気づけば、もうすぐそこまで真夏が近づく、七月のある日。

特に変わったこともなく一日が過ぎ、帰ろうと、いつも通り一人、下駄箱で靴を履き替えていると、

「宮咲さん」

ふと後ろから声を掛けられて、私は振り向く。


「蒼人くん・・・?どうしたの?」

そこには、鞄を肩にかけて立っている、蒼人くんの姿があった。