「おおっ・・・宮咲さん?」
「蒼人、くん・・・」
タイミング良くトイレから帰ってきた蒼人くんと鉢合わせ、私は足を止めた。
蒼人くんは急に現れた私を、驚きながら見つめる。
だけど、混乱している私は何も言えなくて、不自然に目を逸らし、走ってその場を立ち去った。
カラオケ店を出ながら、私は心の中で何度も灯に謝っていた。
ごめんなさい、灯。
キスしちゃって、本当にごめんなさい。
馬鹿すぎる自分の行動に、愚かすぎる自分自身に、嫌気が差す。
ずっとずっと、私は灯を傷つけてきたのに。
好きだと気づいた瞬間、あんなことをしてしまって、私は本当に馬鹿だ。
馬鹿すぎる。
ごめんなさい、灯。
あんなことをしてしまったのに、次の日も、灯は私に声を掛けてきた。
いや、あんなことをしてしまったから、が正解だろうか。


