~冬穂side~


「冬穂、おはよう」


あれから特に何もなく日々が過ぎ、私は高校三年生に進級した。

三年連続で、私と小日向くんは同じクラスになった。
灯は隣のクラスで、その担任が圭汰だ。

自分の嫌いな教師が担任になって、灯は嫌がっているに違いない。
圭汰も圭汰で、何だか気まずそうだ。


そんな複雑な事情がありつつも、大抵のクラスメイトが知り合いということで、全クラスがそれぞれ大分まとまってきた、五月半ばのある朝。

下駄箱で靴を履き替えていると、突然降りかかってきた声に、私は顔を上げた。