「確実に、宮咲さんはお前に惚れていた。だけど、お前も宮咲さんも、そのことに気づかなかった。岡本なんていう過去の男に、二人して引っ張られてたんだよ。もう愛していないのに、未練とかいう幻想を作り出して」
灯の双眸が、大きく見開いた。
どうやらやっと、夢から覚めてくれたようだ。
そのことに、ほっと安堵する。
「ただ教師に恋してるだけでもあんな辛そうだったのに、今は不倫もしているし、愛してもいない。いつか、宮咲さんもそのことに気づく時が来る。いや、もし気づかなくても、大分苦しいと思う。その時、宮咲さんを救えるのは、誰なんだよ?」
そう問うと、灯は小さく息を吸い込んだ。
ちゃんと自覚したのだろう。
自分がするべきことを。
俺は、ふう、と息を吐く。
俺のするべきことは、全部終わった。
「・・・で、でも俺、河合と付き合っちまったし・・・・」
いや、まだもう少し残っていたようだ。


