そこまで言うと、灯はそっと起き上がり、俺の方を向いた。
灯は少々不安げな表情だったが、俺の話を全身で聞こうとしているのが分かった。
そのため、
「一年の頃の宮咲さんのことは、俺の方が知っていると思う」
と、前置きをした後、灯の目をじっと見据えて、俺は、自分の思いをはっきりと話し出す。
「・・・あの頃の宮咲さんは、いつも苦しそうな顔をしてた。と言っても、そんなに話したことがあったわけではないけど、いつ見ても、どこか悲しそうだった。きっと、教師との恋で、相当気を張ってたんだろうな。なのに、その恋人に振られ、しかも結婚までされて・・・進級したての頃は、見ていられないくらい落ち込んでたな」
「・・・確かに冬穂、最初は本当に元気なかったな」
灯もその時のことを覚えているのか、ぼそっと呟く。
俺は一瞬、灯に目を向けた後、前を向き、遠くを見つめながら話を続ける。


