みんな、愛し方を忘れてる。



灯はその瞬間を思い出しているのか、自分の左手を見つめていた。
俺は、そんな灯を見つめる。


少しの間を空けた後、灯は大きなため息を吐き、空を仰いだ。

「だから、もうおしまい!俺の恋は、儚く散った!」
「なに、気持ち悪いこと言ってるんだよ」
「ははっ、ひでえな。もうちょっと優しくしろよー」
「・・・しねえよ、絶対」

少し強めの口調でそう言うと、灯は作っていた笑顔を消して、こちらに視線を向けてきた。

俺が言いたいことに気づいたのだろうか。


そのままの状態で微かな沈黙が流れた後、俺はそっと口を開いた。

「手を振り払われたからって、なんなんだよ。好きなら強引にでも奪ってみせろよ。儚く散った?ふざけんな。不戦敗して、簡単に諦めてんじゃねえよ」