みんな、愛し方を忘れてる。



「・・・・えっ?」

私の思考が、一瞬だけ動きを止めた。

大袈裟に言うと、世界そのものが全ての営みを停止したような、時間が今この瞬間だけ途切れてしまったような、そんな気がした。

確かに最近、灯と望未ちゃんが付き合うのではないかという噂は出回っていた。
けれどまさか、それが本当になるとは、夢にも思っていなかった。

だから正直困惑してしまって、友達の、どうするの?なんていう愚問にすら、返事が出来なかった。


灯が幸せになったのなら、それでいい。
私のことなんて、忘れてくれればいい。

それなのに何故か、悲しいと、寂しいと感じてしまった。

嬉しい知らせのはずなのに、手放しでは喜べない自分がいる。

複雑な気持ちが、胸の中で渦巻いていた。


それが、圭汰にもバレたのだろうか。

「ちょっと、冬穂」