こんなやつの言いなりになどなりたくないのだけれど、あいにく、俺には上手な反論や解決策を思いつく知性はないから、冬穂を守る選択肢は、たった一つしかなかった。
「・・・分かった」
俺はそう言って頷く。
「本当?やった♪」
嬉しそうに笑った河合が、悪魔に見えた。
けれど、これで冬穂を守れるのなら、それでもいいと思った。
~冬穂side~
「冬穂!大変だよ!」
「おはよう。どうしたの?あきちゃん」
朝、教室に入ると、友人数名が、慌てた様子で私に駆け寄ってきた。
私はそれに少し驚きながらも、落ち着いた声でそう返す。
しかし、私とは正反対に、動揺している彼女たちは、あわあわと無駄に手を動かしながら、
「深沢くんと、望未ちゃんが・・・付き合ってるんだって!」
と、言った。


