みんな、愛し方を忘れてる。



毎朝早起きをして作っていた、二人分のお弁当。
当たり前だが、今はもう作っていない。

そのお弁当を作るためだけに、早く寝て、早く起きて。
それがなくなるということは、私の生活そのものが変わるということだ。

時間にあまり縛られなくなった分、自由にはなったが、灯と別れたことを思い知らされ、少しだけ悲しいのもまた事実だ。

昼休みに友達と喋ったり、誰にも誘われず一人で帰ったり。
そんなことは、久しぶりだった。


「・・・あー、駄目駄目!」

私は両頬をパンッと叩き、灯から視線を外した。


思い出すな、私。

過去に浸るな。前だけを見るんだ。
もう、終わったことなんだから。

そう自分に言い聞かせ、私は再び歩き出した。


圭汰と別れたら圭汰ばかりを想って、灯と別れたら灯ばかりを想う。

そんな昔ばかり追いかけている自分はもう、卒業したいから。

忘れて、どうか。