「いっただきまーす。おお、うまい」
「いただきまーす・・・」
ニコニコと笑みを浮かべたままパンに噛り付く灯を見ながら、どのタイミングで話を切り出せば良いか、悩む。
「・・・ねえ、とも」
「ん?何?」
勇気を出して声をかけると、灯がパンを食べるのを止め、私を見た。
目が合って、余計に言いにくい。
だけど、言わなくちゃ。
別れよう、って。
「・・・・ううん、なんでもない。それ、そんなに美味しいの?」
「おう!食べる?」
「じゃあ、ちょっとだけ・・・」
弱虫。
そう思いながら食べたクロワッサンの味は、あんまり分からなかった。


