「いや、でも・・・冬穂、水かけられかけていたし、こんな汚れているし、それに、弁当だって・・・」
「大丈夫だよ。助けに来てくれて、ありがとう」
そうお礼を言うと、圭汰は頭を上げて私の顔を見た。
その瞳は、やはりどこか、罪悪感を抱いているようだった。
「それにしても、よく分かったね。私達がここにいるって」
「ああ・・・。見えたんだよ、視聴覚室から。何か雰囲気悪そうだったし、これは危ないなって・・・」
「わざわざ三階から来てくれたの?だから、そんなに疲れてたんだ」
「本当はもっと、カッコ良く登場したかったんだけどな」
そう言って、ははっと笑った圭汰に、私も笑顔を見せる。
「けど、ここに連れて来られて良かったかも。違う所だったら、圭汰、来れなかったかもしれないから」
「てか、最初からついて行くなよな」
「へへっ」
「へへっ、じゃない!」
ったく・・・とため息を吐いた圭汰に、私は微笑んだ。


