みんな、愛し方を忘れてる。



「はあ・・・・」

私はため息を吐きながら、自分の席に座る。

情けない。それは今だけじゃなくて、ずっと前から同じことだ。
私は灯に、何も与えられていない。
与えてもらってばかりだ。

「冬穂ちゃーん。落ち込んじゃって、どうしたの?」

自分を責めながら俯いていると、そんな声と同時に、私の目の前に陰が出来た。
それをそっと見上げると、そこには、

「望未ちゃん・・・」

弁当箱を二つ手に持った望未ちゃんが、得意気な顔をして立っていた。

最初、私はいきなり現れた望未ちゃんだけに気を取られていたが、弁当箱を見た瞬間、目を見開く。

「それ・・・」
「ええ、そうよ。冬穂ちゃん特製の、お弁当」

それはさっき探していた、私と灯のお弁当だった。

望未ちゃんはそれを手に、何故かとても楽しそうな顔をして、私を見つめている。

私は勢い良く立ち上がって、

「返して!」

弁当箱に手を伸ばしたが、望未ちゃんは手を引いてそれ阻止した。

「・・・なんで、こんなことするの?ひどいよ」