それから少し経って、季節は秋から冬へと移り変わろうとしていた。
「あれ・・・・ない」
私は必死に鞄の中を漁るが、やっぱりない。
「どうした、冬穂?お腹空いたー」
後ろで灯に急かされ、私は、
「お弁当がないの」
と、返した。
今日もいつも通り、二人分のお弁当を作って持ってきた・・はずなのに。
お弁当は、どこにも見当たらない。
朝、鞄を整理するときに見たきり、昼休みになる今まで、一度も鞄から出していない。
それなのに、鞄の中には何も入っていないのだ。
「忘れてきた、とか?」
灯は私の隣にしゃがみ込み、そう問うが、私は首を振る。
「ううん、そんなはずない。だって、今朝見たもん」
「でも、ないんだろ?」
「そうだけど・・・」
私は何も言えず、黙り込んだ。


