みんな、愛し方を忘れてる。



しかし、背後からそんな声が聞こえ、私はその声の方向に顔を向けた。

するとそこには、教科書を一つ持って、不思議そうな顔で私を見ている、圭汰が立っていた。


「先生・・・・」

こんな状況の時にいきなり現れた圭汰を見て、呆気に取られていると、下駄箱の上に教科書を置いた圭汰が、私に近づいてくる。


そして、

「わっ・・・何、これ」

私の靴箱の中を見て、目を見開いた。

そこで私は我に返り、圭汰にこれ以上見られまいと、慌てて靴箱を閉めようとする。
だが、圭汰は靴箱の扉を押さえることで、それを阻止する。

私は恐る恐る圭汰の方を向く。

圭汰は、鋭い目つきで私を見つめていた。
その表情に、私は急いで目を逸らす。

「・・・冬穂、」
「っ・・・・」

ただ名前を呼ばれただけで、体が強張る。