しかもそれが元カレだから、この前私に告白してきた人だから、何だか色々と複雑な気分だ。
絶対言わないけれど、もし、彼は私の元カレなの、なんて言ってしまったら、灯からどんな反応が返ってくるだろう。
「そう、だったんだ・・・なんか、意外」
「まあ、このことは誰にも教えてないし、事務的な話なら、普通にするからな。それにあいつ、女子に人気だし」
でも俺は嫌い、と灯は付け足した。
どう返すのが適切か困りながら、私はおぼろげに微笑む。
圭汰のことが嫌いな理由を聞く気には、到底なれなかった。
その時、パパンッと、グラウンドからピストルの音が聞こえてきた。
「あっ、もうすぐ花火、始まるのかな」
丁度良いタイミングで鳴ったため、私は話題を圭汰から逸らし、窓際に近づく。
これ以上圭汰のことを話さないで良くなったことに安堵し、ピストルの音に感謝している私は、やはりずるいのだろうか。


