ここの使用頻度は少ないため、久しぶりに来た気がする。
もしかしたら、圭汰と別れてから、一度も中に入ったことがないかもしれない。
視聴覚室=圭汰、というイメージが強いけれど、そんなもの、これからいくらでも変えられるだろう、と懐かしい室内を見渡してみる。
すると、
「えっ・・・」
私は目を見開いて、そのまま一歩も動けなくなった。
圭汰のことを考えすぎて、ついに私は幻覚を見てしまったのか。
そう思ってしまうほど、いきなり視界に入ってきた、窓際に立つ圭汰の姿。
それは、私達の方を向いて、同じように目を見開いて驚いている。
その手では、煙草がもくもくと煙を上げ、窓から外へと、風に乗って流れていく。
そのあまりに鮮明な彼の姿に、幻覚などではないことに気づき、混乱しつつも、いつもの喫煙タイムか、と納得する。


