人前で手を繋ぐことには戸惑いがあったが、私はそっと、左手を灯の手のひらの上に乗せた。
すると、灯がその手をぎゅっと握る。
「どこ行きたい?」
「あっ、えっとー・・・・」
恥ずかしさから、私は俯いた。
恋人なんだなって、愛されているんだなって感じて、何だか照れくさくて、少し切なかった。
「あー、疲れた!」
人混みの中、五時間ほど回り歩いた私と灯は、休憩するためと、もうすぐ打ち上がる花火を見るために、人気のない視聴覚室前までやってきた。
隣にいる灯は、焼きそばやヨーヨーなど、模擬店で買ったり、もらったりしたものを両手に持ったまま、背伸びをする。
灯が全て持ってくれているため、私はうちわだけを持ち、灯の背中を見つめる。
「人いっぱいだったもんね」
「ほんとだな。祭り大好きな俺でも、さすがに居心地悪かったもん」


