「そう?」
「うん」
「でも冬穂、溜め込みすぎちゃうとこあるから、倒れないようにな」

灯は私の頭に手を置き、ぽんぽんと軽く叩いた。
その動作が優しくて、泣きそうになる。

だけど、灯には絶対言えない。

だってきっと灯は、私がいじめられているのは自分のせいだと、責任を感じるだろうから。
灯には、迷惑も心配もかけたくない。

だから、今まで望未ちゃんにされたことを、一つも灯に伝えていない。

灯は、何も知らない。
そのため、私が黙っていれば、我慢していれば、笑っていれば、問題ないのだ。

そう思い、私は灯に微笑みを見せた。

「・・・あっ」