みんな、愛し方を忘れてる。



私は圭汰から、薬とペットボトルに入った水をもらうと、それを口に放り込む。

そして水と一緒に、ゴクッと一口飲むと、私はシートに頭を倒した。

「あっ、水、もらうよ」

圭汰は私からペットボトルを受け取り、ふたをする。

そしてその言葉以降、私達の間に沈黙が生まれた。


確かに、騒がしいこのバス内では、圭汰と何を話しても、誰にも聞かれていないだろう。
だから、私達がどれだけ気まずそうにしていても、誰も分からない。

そもそも話すことなどないし、会話が出来る体調でもない。

しかし、だからといって、この空気は耐え難い。


「・・・悪いな」

どうやらそれは圭汰も同じだったようで、その言葉で沈黙を破ってくれた。

「・・何が、ですか?」