「まーいいや。宮野、アイスのおごり今日よろしく。少し用事できたからちょっと待っててな。」

「あ、うん。分かった。」

「なあなあ、その用事ってもしかして華恋ちゃんに呼び出された?!」


その瞬間、自分のことじゃないのに核心をつかれたような感覚に陥る。

わかってるのに、何で今になってこんなに意思が揺らぐんだ。

こんなんじゃ、こんなんじゃ。


「別に何でもいいだろー」

「もしかして七瀬照れてるの?かっわい~!」

「お前まで…あっ、チャイム鳴る。ほら、健人は戻った。」

「う~、仕方ない…」


横目で席に戻る健人を見ながら、チャイムを聞く。

放課後まで最後の授業。


_____これが終われば、華恋ちゃんに呼び出されたあと、七瀬はあたしに散々のろけるのかな。

というか、告白されて帰り道が一緒なら自然と一緒に帰ることになるんじゃないのかな?

そうしたら、あたしはもちろん邪魔者だからひとりで帰ることになる。

…むしろ、そっちのほうが気が楽だな。