やり~!と喜ぶ七瀬を少し目線を上げて見たあとすぐに作業に取り掛かった。

しょうがない、これをやらなければ担任のうるさいお説教が待ってる。

長ったらしいそれに比べたら全然マシだ。

…財布の中にお金あったかな。



七瀬とは一年のときになって以来三年間同じクラスで、苗字が近いため最初は大体隣の席になる。

更に席替えの度、必ず近くなるというおかしな現象が起きるせいなのかおかげなのかセットとして周囲には捉えられている。

…これを嬉しいなんて思ってる私も私だけど。

まあこんなんで自然と仲良くなったけど、あたしたちの関係性は仲のいい友達。

それ以上でも、それ以下でもない。

ただのあたしの一方的な片想い。

いつからなんて覚えてない、いつの間にか好きになってた。

…けど、それもそろそろ終わりを迎えようとしている。

_____だからその瞬間までは、少し背伸びをするんだ。