担任がサラッと言うと莉奈は大介に向かって思い切り
ガッツポーズを見せて喧嘩を売っているようだった。
大「まだ負けって決まってねーし!!」
有「はいはい、頑張った頑張った。」
なだめるように有香が言う。
テスト前でみなが緊張している中、騒いでいるせいか
余裕に見えるらしく、他の生徒たちが私たちを見て
余裕そうでいいな~なんてことを口にしている。
決して余裕ではない。
ただただ諦めが早いメンバーが揃っただけだ。
そう思っていたのは委員長ペア以外。
有香と愁は完全にトップ狙い。
ご飯代を争うのは残りの6人かぁ…。
もう諦めていっそのこと割り切ろうかな。
そんなことを思いながら1回、思いっきり伸びをした。
同じ姿勢でいるときにたまに伸びをするとすごく
スッキリする。
倍率の高い学校の激戦を乗り越えてきただけあって
やっぱりみんな勉強は得意なほうなわけで、
しかもみんな勉強している姿が楽しそう。
はぁ、何でこんなに出来ないんだろうな…。
突然みんなに置いていかれるのではという不安が
押し寄せてきて、少しグッタリする。
「なんだよ、お前らしくねえな。」
意外な人物から意外な言葉をかけられて状況がいまいち
飲み込めない。
ポカンと口を開けて声のほうをむくと、こっちを見ながら
笑っている悠太の姿。
