彼方の手が止まる。 「私、咲原くんには、期待しちゃってたみたいでさ、 嫌いって言われて初めてわかったみたいなの。 ...咲原くん、使ってみただけみたい。私の事。」 悲しくて泣いていて、 なのに、裏切られて期待してた私にも悔しくて。 『...なぁ、別に陽向悪い奴じゃないよ。』 「意地悪な人だよ、嫌いなんて唐突に言うもんなのかな」 『陽向、お前のこと心配してるけど』 彼方が見せてくるメールの文字なんて 涙目で何も見えないよ。 でも、一文だけはっきり見えた。 ““ 誤解させた。””