彼方の作った料理はなかなかのものだった。 ハンバーグの中にチーズが入っていて、 本当に美味しくて美味しくて。 「彼方、どうしてうちに来たの?」 『いや、親がさ、最近紗由理んちの親忙しいんだってって言うから、仕方なく来た。ただそれだけ。』 「心配してくれたんだ、ありがとう」 『はっ!? んなわけねーだろ。』 彼方、本当は優しいやつなのかな。 今は、甘えてもいいのかな。 「...彼方の言ったとおり、 咲原くんには深入りしない方がいいみたい、だね」 私の手の甲に涙が1滴たれた。