パンのいい香りがする。
【 あれ、トースター壊れてなかった?】
そんなこと思いつつリビングの扉を開けた。
……………目に飛び込んできたのは赤だった。
赤。赤、赤……あか。あ、か……?
足が震える。今にも崩れ落ちそう。
「おはよう姫」
声の先に目が動いた。
…………こんなこと、信じられない………
「お、お姉ちゃん…………?」
「もぉ、返事返してよ〜」
クスクスと笑うお姉ちゃんを見つめる。
「お姉ちゃん、な、何で?」
私の近くに放り投げ出された人が痙攣をしている。
「っ!!!!しっかりして!!!」
必死になっている私をお姉ちゃんが嘲笑う。