「白壁さん!」
白壁 琴。陰キャラ臭が漂う子。黒い髪に黒縁眼鏡。勿論のこと、教室では目立たない。
前は実愛たちのグループにいたような気がする。
しかし、今は焦ったような表情で私を見ていた。
「どうしたの?」
琴は、目線を泳がせていた。
「何?言ってくれないとわからないよ」
「………逃げるのよ!!」
「へ??」
琴は近づくや否や私の点滴を抜いた。
一瞬激痛がした。
「何するのっ!?!?」
「逃げるんだってば!!」
私は手を引かれ病室を飛び出した。