【これで………娘を救える…】
白雪 美善は怪しげに微笑んだ。
そして机に置いてある写真を眺める。
その写真にはprincessと書いてある。そして病室で弱々しく微笑む愛しの娘の姿。
「………もうすぐ、楽になるからな…」
『わかった』そんな娘の声が聞こえたような気がした。
ゴポッ!!
視線を上げると、金色の髪をした少女がガラスの向こうで、こちらを睨んでいた。
『白雪先生…どういうつもりですか!?』
少女の口から泡がでる。
「どうって……この前話したことだよ」
『でもこんなことっ!!!』
少女は震えながらガラスを叩く。
「無駄だよ」
僕はきっぱりと言い放つ。
『嫌……嫌……出して!!ここから出して!!!』
「言われなくても出してあげるよ」
少女が入っている“水槽”の周りを歩く。
「その前に1ついいか?」
『……なんですか…?』
「僕の娘の病を最初に治してほしいんだ」