「お母さんっ!!!!」
目を開けた。
…………今のも夢……?
しかし、私の考えを否定するかのようにテレビのニュースが流れた。
『続いてのニュースです。3日前におきた一家殺人事件についてですが
速報が入りました。次女の白雪 姫さん(14)が一命を取り留めた模様です。
繰り返します。3日前に……』
夢じゃない………
あの光景がフラッシュバックした。
血塗れ、お姉ちゃん、両腕、お母さん、お父さん、ペロリ、ナイフ、お兄ちゃん、血飛沫………
“レインコートの男”
私は目を大きく見開いた。
【そうだ!!!あの男!!!】
私はテレビを見るため前かがみになった。
「痛っ」
両腕に鈍い痛みが走った。
私は腕を見た。
「こ、これって…」
点滴が繋がれていた。
辺りを見回す。
ここは病室らしい。私は今まで、このベッドで寝ていたんだ…
そして焦りと共に冷や汗が伝う。
こんなこと気にしてる場合ではないがベッドから乗り出し、辺りを見る。
幸いにも隣はいないらしい。
いきなり起き上がった人が、いきなり激しく動いたら不審に思うだろう。