夢が現実になっちゃった不運な女の子の御咄


レインコートの男はテレビを見て舌打ちをした。

お姉ちゃんの方に向かうとお姉ちゃんの心臓にナイフを突き刺した。

お姉ちゃんの手から携帯が落ちた。

その次にお母さんのお腹にナイフを刺した。

お母さんはよろめきながら壁に寄り掛かった。

【 嫌嫌…いや、嫌だってば!】

レインコートの男は最後にお姉ちゃんの両腕を切った。

やがて、レインコートの男は急ぎながら家を出て行った。

しかし、何分後かに戻ってきた。

男の視線の先には吠えているペロリ。

【駄目っ!!ペロリ!!!逃げてっ】

ペロリを見て男はニヤリと気持ち悪い笑みを浮かせた。

ペロリの口に何かを放り込んだ。

最初は激しく動き回っていたペロリだが、徐々に大人しくなった。

レインコートの男はペロリの口元に手をあてると……笑った。

【嘘………こいつ……ペロリまで!!!!】

レインコートの男が家から出て行った直後、お母さんが叫んだ。

『ひ、め…早く逃げてっ!!!』

視界が暗くなった。