夢が現実になっちゃった不運な女の子の御咄


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真っ暗………何処?、ここは、何処?

あ、女性の声だ。……そっか、夢か。これは夢。

早く覚めてよ。そう願い目をきつく閉じる。

目が覚めれば皆が待っている。

一階に降りると朝ご飯の香り。

机に肘をつきながら携帯をいじるお姉ちゃん。

台所で料理をしているお母さん。

テレビに見入ってるお父さん。

部活の為、早めに家を出ようとするお兄ちゃん。

この前買ってもらった犬のペロリ。

…………あれ?貴方は誰?黒いレインコートを深く被った人。お兄ちゃんに近づいた。

するとお兄ちゃんが倒れた…体をくの字に曲げながら床をのたうちまわる。

【ちょっと止めて!!お兄ちゃん痛がってるじゃない!!!】

続いて、レインコートの人はお父さんに近づいた。

レインコートの人の手には包丁が握られていた。

【 止めて!!!!】

お父さんの首の真ん中に包丁を突き刺す。テレビに血飛沫がついた。

テレビに映ったニュースキャスターは緊急ニュースです。と言った。

『〇〇県〇〇市で不審者が出たとの情報がはいりました。

目撃者によると、背の高い男性で黒いレインコートを着用しているようです。

〇〇市の市民の皆様は警戒して、家から一歩も出ないでください。

繰り返します。今、〇〇県〇〇市で………』