「私、葉月ちゃんにはオーダーのお仕事を頼もうと思っているのだけど、お願いできるかしら?」

ティースプーンでカップの中の紅茶をくるくると回しながら美咲さんがそういって可愛らしく首をかしげる。


「はい!」


─────あ。



はい、と返事をしてから、大変な事に気がついた。

私ったら、思わず返事しちゃったけど、これってかなりまずいのでは。

美咲さんや王子にあいたくてこのカフェにきているお客さんに私がオーダーをとるなんて……ちょっと、想像すると恐ろしい…。

お客さんの落胆する顔が容易に思い浮かぶ。

いやいや、ちょっとそれはかなり大丈夫じゃない。