全力で首を横に振る私。
だって、寒い、なんて言ったら
──王子は何をしだすかわからない。
経験上それは理解してる。
そんな私を意外そうに横目に見て、車が走り出す。
王子は珍しく、ラジオもつけた。
流れてきたのは、バリバリのラブソング。
『あなたの事なんて好きじゃない
ドキドキするのも意識するのも
いつもよりヒールが少し低いのも
全部全部気のせいなの
気のせいなの
あなたの事が気になるけれど
それはきっと気のせいなの』
気のせいだなんだと否定してはいるけれど、これはまぎれもないラブソングで……
好きな人と二人きりで聞くラブソングっていうのは、その……
『本当は気づいてる
好きなの
貴方にもっと素直になれればいいのに
貴方にもっと可愛くいたいのに』
け、けっこう恥ずかしい……
ボーカルの声とメロディが、甘々なところがまた……

