私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



そして──とうとうバイトを終えた私。

制服から私服へ着替え……ちょっと後悔。

もうちょっとおしゃれなの着てくれば良かった……なーんてね!

何、デート気分に浸ってるんだ私!

違う、きっと王子にとっては散歩程度の感覚にすぎないんだから、勘違いしちゃだめ……

デートなんかじゃない。


「葉月、そろそろ行こっか」

「は、は、はい」



でも……返事をする声が上擦ってしまう。

意識してしまう。

私にとっては散歩じゃないから、緊張してしまう。

ドキドキしながら王子と店を出て、
王子の車に乗る。


車の中は息が白くなるほど寒くて……

でも寒いなんて口に出すような失態はもうおかさない。

何をされるかわかったもんじゃないんだから。


「葉月、ここ寒──」

「くないです。全然」