「一緒に住んでるって言っても……別にそういうんじゃないよ。私、ただ家政婦してるだけだもん」


自分で言っておいて、なんだか言い訳がましいな、と思った。

別にそういうんじゃないなんて言ってる癖に、私は王子の事が好きだ。


「ねぇ、それって俺に気つかって言ってんの?」


「へ……?」


間抜けな声をだしてしまう私。

そう言って運転をする類の横顔は、なんだかちょっぴり怖かった。

二人の間に、変な空気が流れる。

気づけばもう車は冬月公園を通りすぎていた。


「ついさっきまで、俺に告白されたことも忘れてたくせに、何今更気にしてんだよ」


「気にしてなんかないもん…」


本当は気にしてた。

今日の私は嘘つきだ。
類にたくさん嘘ついてる。