私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



同然、手を繋ぐ事で近くなる私と王子の距離。

これは一体何事だと目をぱちくりさせる私に、王子がひとこと。


「寒いんでしょ?」



至近距離でそんな事を囁かれ、
胸がドキンと跳ねた。


「さ、寒い……ですけど、えっと…」

「だからこうしてるんだけど」


そんな事をさらりといってのけて、
また歩き出す王子。


「………………。」



手を繋がれたくらいで。

王子の顔が、
ただちょっと近かったくらいで。


なんでこんなにドキドキしちゃうんだろ。