私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



そう心の中で叫んで、泣きそうになる。
そんな私を、類が睨み……そして、意外な事を口にする。


「父さんは葉月の事をもう怒ってない」

「……!?」


……もう怒ってない?

どういうこと?

戸惑う私に、類が続ける。


「葉月が理由もなくそんな事するやつじゃないって、冷静になって考えたら気づいたんだと思う。

カッとなって葉月を追い出したこと、
親父今すげー後悔してんだぞ」


類のその言葉に、こらえていた涙が溢れてしまいそうになる。


「……葉月、なんであんなことしたんだよ。

何かわけがあるんだろ?」


そうやって私の顔を真剣に見つめる類。
そんな風に類にみつめられたら本当の事を言ってしまいそうで……私は類から思わず目をそらす。


だって……あんな事類には言えない。

言ったら、私が壊してしまう。

私が黙ってさえいればいい。



そう思うのに。