私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



「はぁっ……っ、はあっ…」


まだ息の整わない私を待つかのように、類は何も言わないで私をみる。

そして、ようやく私の息が整ったころ、
類が口を開いた。


「戻ってこいよ」


「……!」


単刀直入な類のその言葉に、少しびっくりしてしまう。

でも。


「私、店をクビになっちゃったんだよ?
大将だって黙ってお店のお金盗もうとした私に怒ってるにきまってる…」


そうだ。

私はあの日、店のレジからお金を盗もうとしたのが大将にバレて店をクビになった。

あんなにお世話になった類に何も言わないで黙って店をでていったのは悪いと思ってる。

でも、その事を類だって知っているんでしょう?

なら、戻ってこいなんて、優しいこと
言わないでよ!