「そんなに泣くほど不安なら、 甘えればいいのに」 王子がまた淡々と呟く。 えっ?と顔をあげて… 王子が優しい顔をして私を見ていることに驚いて、固まる。 「女の武器使って、俺のとこ泊まろうとか考えないの?」 王子が言ってることを理解するのに、 数秒かかった。 そして、その意味を理解して─── カアッと顔が熱くなった。 女の武器って…! と、泊まるって…! ワタワタする私を、王子が面白おかしそうな目でとらえる。