私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



「葉月……」

「海里先輩、料理を運ぶときのおぼんとかってどこにあるんですか?」


王子の言葉をさえぎるようにそう質問する。
わざとらしかったかな…とは思ったけど、
王子は嫌な顔ひとつしないで棚に山積みになっているおぼんを指さして、あれが運ぶときに使うおぼんだといって教えてくれる。

おぼんの山は目につくから、最初からそうだろうなとなんとなくわかっていたので、
胸の中で少しの罪悪感を感じた。

そうこうしているうちにあっというまに時間はすぎ、開店一時間前になる。

店の外の様子をうかがうと、美咲さんの言葉どうり、店の外にはちらほらとお客さんの列ができていた。