私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


へぇ、とか、はいとか相槌を打ちつつ
真剣に説明を受ける私。

そんな時だった。



ブブブブブブッ



そんな私のポケットがら、ケータイのバイブレーションがいきなり鳴り始めた。

十秒以上鳴り続けるバイブは、メールではなく多分電話の着信を知らせるものだった。

さすがにだめだと思い、着信拒否をしようとケータイを取り出そうとする私に、王子が言う。


「葉月、出ていいよ」


そういって目でケータイを指す王子。

「え、でも……」

「いいから、出て」

煮え切らない返事をする私に、王子がきっぱりとそう言ってくれる。

結局、あとからかけなおすのは面倒くさいという感情が勝ってしまい、王子の言葉に甘えることにした。

すみません、と頭を軽く下げ、通話するために一旦店を出た。

そして。

スマホの画面に表示される着信相手の名前を見て、固まる。