私の王子様は、冷酷なんかじゃありません


そして、王子がそんな目をむけたまま、いつもより少ししっとりしたトーンでこんなことを言った。


「葉月って、鈍感だったんだな」

「…………はい?」


あまりの衝撃に、頭がクラっとなりそうだった。

ポカンとしているのは朝霧さんも同じ。

「いやいや、蓮が言うなって」

笑いをこらえたような声でそんな事を言う朝霧さんに激しく同意する。

海里蓮だけには言われたくないセリフNo.1を、こんなにさらりと言われてしまうとは。

今度は、私が王子をあわれみの目でみる番だった。


「海里先輩こそ、高校時代までさかのぼって、ご自分の事を悟い心で見つめ返されてはどうですか」


「葉月、言ってる事がよくわからない。
悟い心って、何」

嫌みを返したつもりが、素朴な質問を返されて面食らってしまう。

もうダメ限界とかいってクスクス笑い出してしまう朝霧さん。


もう!悟い心っていうのは……

えーと、えーと…


うぅ、私だってわかんないよ!