王子の言葉に、朝霧さんが固まってしまう。
さすがに、佐原さんのこと可愛いとか言ってもないし思ってもない、とは言えなくて、返す言葉につまっているのだろう。
なんだか悪くもないはずのこっちが申し訳ない。
あぁああ、もう!
王子はなんにもわかってないんだから!
この鈍感王子!
「もう!海里先輩はいっつもいっつも勘違いが多すぎです!朝霧さんはほんとに私に業務内容を教えてくれただけだし、可愛いって言っていったのは、わたしの名前の事ですから!」
ほんとに、王子は勘違いが多すぎるのだ。
できることなら高校時代までさかのぼって、きちんとした思考回路で現実を見つめてほしい。
そんな事を心の中でぶつぶつと呟く私が、王子にあわれみの目でみつめられていることに気がついた。
ど、どうしてそんな目でみるの…?

