私の王子様は、冷酷なんかじゃありません



「……何サボってんの朝霧」


真顔でそんなことを言って朝霧さんを睨む王子。

もう王子が冷酷王子なんかじゃないとは分かってはいても、やはりそんな事を真顔で言う王子は怖かった。

うん、冷酷王子と呼ばれていただけあって、王子の真顔にはなんというか、雪の女王的な恐ろしさがあるのだ。


「蓮ってば怖いよ……。しかもサボってないからね、佐原さんに仕事内容教えてただけだから!」

睨まれた朝霧さんが、まるで子犬がキャンキャンほえているかのような様子で必死に否定する。

それに対して、王子はどこまでも冷たい声でつづけた。


「……嘘つけ。葉月に可愛いとかなんとか言ってる声が俺には聞こえた」


「…………!?」