「ありがとうございます、名前ほめられたのなんて初めてで嬉しいです」
別に佐原葉月なんて名前は可愛くもなんともない。
平凡でありふれている名前だとは思うけれど、ほめられて悪い気はしなかった。
「えっ、名前?いや、俺が言ってるのは名前の事じゃなくて…いや、うん。そうそう、めっちゃ可愛い名前してるよね、佐原さん。ははははは」
いきなり挙動不審になる朝霧さん。
うーん、朝霧さんもなんか少し変わってるかも…?なんて失礼かな。
微妙な表情を浮かべる私に気がついたのか、朝霧さんがはっとしたような顔になる。
ごめんごめん、と言って笑う朝霧さんの頭を、どこからともなくやってきた王子が掃除に使っていたのであろうモップでポカッとつつく。

