一瞬で頭が覚めた気がした。 さあっと血の気が全身から引いていく。 「ちっ、違うんです今のは冗談で…!ありますよ家くらい!ただ、妹と喧嘩してるから帰るの気まずかっただけ…」 「──来る?」 私の必死の嘘の弁解を遮ったのは、 王子の淡々とした声だった。 え? 来るって? 誰が? どこに? ん、そもそもなんて言ったの?