気が付くと目の前は赤黒く染まっていた。

「みんな…!」

 仲間はみんなピクリとも動かない。
 こんな光景信じられない。
 
「さあ、残るはお前だけだ」

 仲間をこんな目にあわした男が俺に言う。
 そして、その手を俺に向けようとした。
 だけど…。

「…うん?まだ生きてたのか?」

 少女が男の足を掴んで止める。
 顔も髪も赤黒く染まっているので、誰だかわからないが、彼女は必死の思いで俺を助けようとしている。

「行か…せない…!」

 声ものどをつぶされているので息をするのも苦しそうだ。

「虫けらが。気安く私に触れるな」

 男は服の袖から銃を取り出す。
 嫌な予感がする。
 やめろ…!

「やめろ!」

 俺の声もむなしく、男は無慈悲に、冷徹に少女を撃った。
 もう、息をしている仲間はいない。
 俺はもう、絶望しか見えない。